■ FINAL FANTASY MIX ■

† World Tutorial -邂逅- 1 †



1■ザックスの日記「依頼」

「人身売買組織(通称「R・S」)の潜入調査」
 俺達「何でも屋」に与えられた、次の仕事の依頼内容。
 依頼主は・・・秘密。
 2日後に、ミッドガルの下部スラムの場末の酒場で落ちあう予定。

 ひさびさに、長丁場になりそうなヤマだ。
 だが、どうにも嫌な予感がする。
 危惧の一つは、俺様の跳ねっ返りのコイビトが、いきなり「囮(おとり)になってその組織に潜入する!」とか言いださないかどうか。
 クラウド――。ったく、あのワガママ小僧は、俺様の言うことなんか聞きやしねえ。
 いつもご機嫌とりさせられて、天下の色男ザックス様もカタナシって奴?
 あれが唯一、素直になるのは、ベッドの上でだけ。
 まあ、腹の下で可愛いクラウドちゃんが、身も世も無く喘ぎ泣く様を見られるだけで、全て許せてしまう俺様自身も、相当ヤキがまわっちまってるけど・・・。

 ・・・仕方ねえな。
 何でも屋は、俺様とクラウド、二人で一つ。
 黙って仕事を進めるわけにも行かねえし、今夜クラウドちゃんを美味しく頂くときにでも伝えようか。
 耳元であま〜く囁いたら、ちょっとは騙されてくれるかな?
 頼むから、今度の仕事はノリ気になるなよ・・・坊や!



<何でも屋のザックスとクラウドの登場です〜♪
この二人のコンビは、大好きですvv>

2■ジタンの日記「牢屋の中で」

 あ〜、失敗しちまったな・・・。
 すべての始まりは、あのタレコミ。
 今夜のエスタの裏オークションで、世界最大のヒュージマテリアが売買されるって情報をゲットしたオレは、コレを頂かなきゃ盗賊の名がすたるぜ! ってなもんで、意気揚々と潜入した。
 そこまでは良かったけど・・・。
 逆にとっつかまって牢屋の中。
 オークションの奴ら、噂の「R・S」でオレを売り飛ばすつもりらしい。
「尻尾のある種族は希少価値が高え。その器量なら愛玩奴隷だな」だと?
 けっ、さっきの牢番、よくも抜かしやがったな・・・!
 盗賊たるもの、値踏みするのは得意技だが、されるのは虫酸(むしず)がはしらあ。
 ――だけど、におうよな。
「R・S」。このところ急激に裏の世界でのし上がってきた人身売買組織。
 裏あるところに宝あり。
 このまま、ここから逃げ出すのは簡単だが、「R・S」の全貌を拝んでからでも遅くはないよな。 
 よぉし、見てろ「R・S」!
 組織まるごとブッつぶして、ふところに抱えてる財宝全部、このジタン・トライバル様が盗み出してやるぜ!!



<発売前のフライング、ジタンの登場です(笑)。
原作と全然、性格が違ったらどうしよう・・・(^^;>

3■クラウドの日記「依頼主」

 ・・・腰が重い・・・。
 ザックスの奴、仕事前だっていうのに、さんざんオレのこと好き勝手にして・・・やっぱりあいつはケダモノだーっっ!
 人身売買組織「R・S」の潜入調査――
 その依頼主に逢うため、久しぶりにミッドガルに帰ってきた。
 オレに危ない橋を渡らせたくないとゴネるザックスを説き伏せ(正確には、不意打ちのキスで黙らせた)、一人で待ち合わせ場所まで来た。
 こんなスラムの酒場で、それもたった二人きりで落ち合おうなんて、今度の依頼主は相当ヤバイ奴か、それとも・・・。

 オレが一人、つまらなそうにカウンターでカクテルを呑っていると、案の定、下卑(げび)たお兄さんがたが声をかけてきた。
「坊主――一晩いくらだ?」
 ・・・金を出そうとするだけ、まだ紳士か?
「オレは、高いよ?」
 面白がって、そう返してみる。・・・ザックスが聞いたら、どんな顔するだろう?
 いや、オレに声をかけてきた時点で、このお兄さん達は、ザックスご自慢のバスターソードの錆だな。
「あいにくと、俺たちゃ持ち合わせが無くてよぉ。良くしてやるから、相殺ってことでどうよ?」
「そうそう、お悦しみの獲物はデカくて太いのだけじゃねえぜ? もう普通の生活に戻れなくなるくらい可愛がってやるからさぁ」
 やっぱりね。最初から金なんて払う気は無かったわけだ。
 途端に面倒になって、オレはふと酒場の戸口を見やった。
 ・・・新しい客が一人で入ってきた。
 店内が薄暗くて顔まではよく見えないが、その洗練された物腰から、ひと目でオレと同等クラスの手練れの戦士だとわかった。
 丁度いい。
 オレは、そちらに向かって手を振り、責任転嫁した。
「助けてよ、そこの色男! 悪漢にからまれて、困ってるんだ」



<クラウドはチョット、跳ねっ返りの性格にしています。
セフィロスを倒してから、ふっきれた感じ・・・(笑)。
そうそう、この物語にはセフィロスも出てくるかもデス(^^)
ちなみに、次回はスコールが登場します〜vv>

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