Bar蛇骨ファイル  −File 6〜10−


■File 6   盗聴器の記録テープのバックアップ
                  (イシトが店内にしかけたものの一つ)

 「な、何するんですか・・・っ」
 「新米ホストさんに教育指導」
  (ベッドのきしむ音)
 「可愛いな、お前。セルジュって言ったっけ? こういうのは初めてか?」
 「は、初めてって、カーシュさん・・・っ」
  (衣ずれの音)
 「やだ・・・っ、ど、どうして服、脱がす・・・えっ・・・、ん・・・っ」
  (湿った音)
 「・・・キスも初めて?」
 「は、初めてです・・・う・・・っ」
 「ああ、おい、泣くなよ。怖がるなって・・・」
 「で・・・でも・・・」
 「俺様のこと、ちょっとカッコイイって思ったんだろ?」
 「え・・・そ、それは・・・」
 「じゃあ、ノープロブレムだよな?」
 「ええっ、で、でも、男同士なのに・・・っ」
 「・・・じゃあ、一目惚れ・・・って言ったら、信じるか?」
 「・・・・・・・・・えっ、えええ!?」
 「大丈夫だよ、ココロはカラダについてくっから」
 「だ、大丈夫って、そう言う問題じゃ・・・あっ・・・」
  (湿った音)
 「本気で嫌なら、この辺でやめるけどよ・・・どうだ・・・?」
 「そ・・・それは・・・」
 「・・・ハハ、タチの悪ィ客に絡まれたら、俺様に言えよ・・・すぐ追い払ってやっから」
 「そ、そんなに僕、モテないです・・・あ・・・」
 「ったく、自分がどんなに野郎に対して魅力的かわかってねえな? ある意味、犯罪だぜ、ソレ・・・」
  (ベッドのきしむ音)
   <以下消去されている。テープのオリジナルはイシトのみが所持>




■File 7   イシトの調査記録(速記文字)
6月18日(月)
 従業員として潜入して5日目。
 従業員の金銭に関する人間関係を掴むのが第一目的。
 興味深い。
 ゾアはマルチェラをひいきにしており、給料を貢いでいる。
 マルチェラは客からのチップの上前をはねている。
 ルチアナの動向は掴みきれない。←注意!
 依頼主に関しては割愛(調査対象外)
   追記 私と同日に就職したセルジュという少年が、さっそくカーシュに手ごめにされる。
       以後、金銭にまつわる問題が起きる可能性、大。←要注意!




■File 8   セルジュの日記(日記帳)
   6月25日(月) 曇りだけど楽しかった
 今日はカーシュとデートした。←うわー!なんて書き出しなんだー!
 カーシュはOFF日だったんだけど、僕は仕事があったんだよね。
 どうやら、カーシュが客として高いお金を払って、僕のことを一日、借りきってくれたらしい。大丈夫かな??
 ・・・この前、初めて・・・抱かれちゃったときはビックリしたけど・・・。
 心は体についてくる、なんてカーシュが言ってたけど・・・そのときは嘘だーって思ったけど・・・けっこう、本当なんだなあ。
 ・・・待てよ・・・それとも、うう、僕の体がHなだけなんだろうか・・・。ああ、考えないでおこうっと。
 あ、でも、カーシュ以外とはイヤだからね!
 カーシュだから、何だか満たされた気持ちになるんだろうな・・・。
 怖い人だって思ってたけど、スゴク優しいし、面倒見もいいし、気を遣ってくれるし・・・。
 幸せだよね、セルジュ?
 今度、またデートしようって、カーシュが言ってくれた。楽しみだな。





■File 9   イシトの調査記録(速記文字)
6月29日(金)
 セルジュへの指名が増加←カーシュに何度か抱かれることで、独特の色気を身につけたことが原因か?
 新しい客。セルジュに良く似た黒装束の少年。名はフェイト。
 酒代が払えず、このバーに無理やり雇われる。
 主観をまじえるなら、なかなかに好み。




■File 10   イシトの調査記録(速記文字)
6月30日(土)
 フェイトが素行不良。
 勿論、望んでこのバーに勤めているわけではないから、仕方のないことだ。
 規定の金を稼ぎ、一刻も早い店からの解放を願っていると思われる。




■File 11   盗聴器の記録テープのバックアップ
                    (イシトが店内にしかけたものの一つ)

 「この店から解放してやる、だ? 皿洗いの貴様に、そんな権限があるとは思えんな」
 「詳しくは話せません。でも、信じてもらえるとありがたいのですが、フェイト?」
 「・・・まあ、いいさ。この際、店から離れられるなら何だってしてやるよ。
こんなところで、油を売ってるわけにはいかんからな。で、何が望みだ?」
 「あなたはホストとして、接客業に就いていますね?
厨房にこもりきりの私には分からない、ホスト同士での金の流通を探って欲しいのです」
 「ふ・・・ん、なるほど。こんなしけた店にも、間者が入りこんでるってわけか。商売も楽じゃないな。
で、報酬は俺の解放・・・の他に、俺の身の安全も付け加えるぞ? イシト。
間者なんぞの手先になる場合、一番恐ろしいのは仕事の危険より、味方による口封じだ」
 「聡い方ですね、フェイト。ますます愛しくなってきましたよ。
なんなら、私との一夜の夢も、報酬に付け加えますか?」
 「俺の身体に毒を仕込んで、お相手するが」
 「おやおや・・・素晴らしい殺し文句ですね」
 「フ・・・、さて、どうして探りを入れたものかな。
・・・あのセルジュをたらしこんで、聞き出すってのが面白そうだ。ふふ、多少の娯楽は必要だからな・・・」



                                  
−「File 11」に続く−



ビバ・盗聴器!(笑)
コレが無くてはスパイはつとまりませーんぐ♪(笑)
このお話はとても気楽に書けるので
Angel's Sappphireより先に完結しそうな雲行き・・・
スミマセンです・・・